アメリカーノ -カクテルレシピのノウハウ-  BLOG

2017.03.06

アメリカーノ -カクテルレシピのノウハウ-

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皆さん、こんにちは。

4MIX COCKTAILです。

 

今回は、「アメリカーノ」のカクテルレシピをご紹介します。

 

アペリティフカクテル(食前酒)としてお薦めのアメリカーノは

イタリアを代表するカンパリリキュールとベルモットをソーダで割ったカクテルです。

 

ロングタイプのカクテルで作り方は至って簡単です。

カンパリの苦味とスイートベルモットの甘さでバランスを取り、

最後にソーダで割ることでさっぱり感を演出するアメリカーノは

程よい苦さにさっぱりとした味わいの炭酸系カクテルとなります。

 

アメリカーノのアルコール度数は8~9度でカクテルの中では低めです。

 

 

ワインベースのアメリカーノ (Americano)

 

このカクテルは、ワインベースとなっています。

 

アメリカーノはカンパリを使うカクテルです。

カンパリは苦味のあるお酒ですが、ビールの苦さとはまた違う味わいの苦味が特徴です。

スプモーニやネグローニといったカクテルにも使われBARでは欠かせないリキュールとなっています。

 

主にアメリカーノは食前酒向きとして紹介されますが、

ただ食前酒に限らず、ピザやパスタなどイタリアン料理と一緒に楽しんでも、

BARでお酒だけを楽しんでも、場面を選ばず楽しめるカクテルです。

 

ちなみにアメリカーノと名付けられた飲み物にはコーヒーにもあります。

アメリカーノはエスプレッソをお湯で薄めて割るスタイルのコーヒーです。

 

By: Christine Rondeau

 

■ アメリカーノの正式なレシピ ■

 

カクテルのアメリカーノに使用するレシピの材料は、

カンパリリキュール、スイートベルモット、ソーダの3種類です。

ただ、アメリカーノのカクテルには2つのレシピが存在します。

 

その2つのレシピによる違いは、

カンパリリキュールを使うか、またはビターベルモットを使うかの違いです。

 

2つのレシピが存在している内の1つは

ビターベルモットの代わりにカンパリが代用されたレシピであり

アメリカーノの正式なレシピは、ビターベルモットを使用するレシピとされています。

ただ現在では、アメリカーノにカンパリを使うレシピが広く認知されいるのが現状です。

 

【アメリカーノのレシピ】

・カンパリ or ビターベルモット(※正式)

・スイートベルモット

・ソーダ(炭酸水)

 

アメリカーノはリキュールベースとして紹介されることもありますが、

正式なレシピがビターベルモットとスイートベルモットを使うならば

両方とも果汁や香草などを加えたワインの一種であることから

ワインベースのカテゴリーに分類されるのも納得できます。

 

 

 

■ カクテル「アメリカーノ」の歴史 ■

 

アメリカーノのカクテルが生まれた国はイタリアです。

 

第二次大戦後に人気となったカクテルのようですが

日本のカクテルブックによれば古くは大正時代まで遡り

1920年代の頃には既にアメリカーノは日本で知られていたということなります。
今では無数のカクテルが存在する中で長い歴史を持ったカクテルと言えます。

 

このカクテルは1860年頃にイタリアのトリノでバーテンダーをやっていた

「カンパリ」の創始者として知られるガスパーレ・カンパーリ氏が経営する

「カフェカンパリ」でオープン当初から提供していたものです。

 

ただ元々知られていたカクテル名は「ミラノトリノ」で、

ミラノトリノはイタリアで誕生したミラノ産の「カンパリ」と、

トリノ産のベルモットを組み合わせたカクテルです。

アメリカーノはこの組み合わせにソーダを足したレシピになります。

 

ミラノトリノのレシピはカンパリとビターベルモットですが、

通常のスイートベルモットよりも苦味の効いた「カルパノ プント・イ・メス」を使っていました。

 

カルパノはアントニオ・ベネデット・カルパノという

ハーブの専門家として知られる人物によって考案されました。

1786年にイタリアのトリノで世界初となるベルモットが生まれ、

イタリア最古のベルモットとして称されるのがカルパノ社です。

 

 

アメリカーノのカクテル名の由来とは?

 

イタリア語でアメリカーノ(americano)は「アメリカ人」という意味です。

 

ただアメリカーノは男性のことで、女性の場合はアメリカーナ(americana)と呼びます。

ちなみに「アメリカーナ」というカクテルも存在し、こちらはバーボンウィスキーとシャンパンを組み合わせたレシピのカクテルです。

 

アメリカーノのカクテルに使われる材料はカンパリやベルモットですが、

いずれも代表的なイタリア産のお酒にも関わらず

なぜ「アメリカーノ」と名付けられたのでしょうか・・・

 

 

アメリカーノという名前の由来には諸説あります。

ただはっきりと「これが有力な説である」という確信の持てる説はありませんが、

その名前の由来となった一部の説をご紹介します。

 

 

「ボクサーのニックネームからの説」

 

こちらはボクサーに関係した由来の説です。

1933年に世界ヘビー級王座を獲得したイタリア人ボクサー

「プリモ・カルネラ」のニックネームから名付けられたとされています。

 

ただこのボクサーのニックネームは「動くアルプス」

アメリカーノと何の結びつきがあるのかは不明です。

 

 

 

「アメリカ人ジャーナリストからの説」

 

イタリアの将校・士官クラブでイタリア兵によって作られていたカクテルがありました。

そのカクテルの味わいは苦味を特徴としたカクテルで、

それを気に入って飲んでいたアメリカ人のジャーナリストが「アメリカーノ」と名付けたとされています。

 

そのアメリカ人ジャーナリストが名付けた理由として

カンパリの苦い味わいをフランス語で連想したのか定かではありませんが

フランス語で苦いを意味する「アメール」と

イタリア語でアメリカ人を意味する「アメリカーノ」を掛けて

カクテル名をネーミングしたと伝えられています。

 

ただこのジャーナリストの名前が不明であることから

信憑性に欠けてしまう点ですが、一説として伝えられています。

 

 

アメリカーノの作り方について

アメリカーノはグラスの中で直接材料を入れて作ります。
カンパリとスイートベルモットを同量注いで、ソーダで割る作り方です。

 

アメリカーノに使うスイートベルモットの銘柄には、

チンザノロッソやマルティーニロッソなどの種類があります。

 

 

【用意するもの】

  • カンパリ
  • スイートベルモット (銘柄はチンザノなど)
  • ソーダ(炭酸水)
  • レモンピール(レモンの皮)
  • タンブラーグラス (またはオールドファッションドグラス)
  • バースプーン (スプーンで代用可)
  • メジャーカップ(計量カップで代用可)

 

 

【作り方のレシピ】

材料をグラスに入れて直接作ります。(ビルドという作り方)

 

  1. タンブラーグラスに氷を入れます。
  2. カンパリを30ml注ぎます。
  3. スイートベルモットを30ml注ぎます。
  4. 2つの材料を軽く混ぜます。
  5. 最後にゆっくりとソーダを注ぎます。
  6. バースプーンで軽く1~2回混ぜます。
  7. レモンピールをツイストして香り付けします。
  8. 出来上がり。

 

※レモンピール(レモンの果皮)のツイストとは、

レモンの皮を指先でひねったり、絞ることです。

 

 

 

■ アメリカーノを作るときのポイント ■

 

カンパリの苦みが気になる場合はソーダの量を気持ち多めにするか、

カンパリとスイートベルモットの割合を1:2の比率にしてバランスを取ります。

つまり、カンパリ20mlでスイートベルモット40mlの分量です。

 

また海外のレシピでよく見掛ますが、

レモンピールを絞るだけでなくオレンジスライスをグラスに入れる事があります。

オレンジの甘味を加えることで気持ち苦味が和らぎます。

 

アメリカーノに使用されるグラスについてはBARでも分かれます。

タンブラーグラス、もしくはオールドファッションドグラスで主に提供されます。

どちらを使用するかは自由ですが、グラスの容量に多少違いがあるため、

ソーダの分量によっては味わいの感じ方が違ってくるかもしれません。

 

 

さらに美味しく楽しむ方法!

 

1. スイートベルモットやソーダは予め冷やしておくと良いでしょう。

2. レモンピールでの香り付けではなくオレンジスライスをグラスに入れてもOK

 

 

【アメリカーノからのバリエーション】

下記はアメリカーノのレシピから一部の材料を変えると他のカクテルになります。

 

■ カンパリはそのままで

<スイートベルモット&ソーダを変更する>

 

・ドライベルモットとライウィスキーに変えると「オールドパル」

・グレープフルーツジュースとトニックウォーターに変えるとスプモーニ

 

■ スイートベルモットはそのままで

<カンパリとソーダだけを変更する>

 

・ソーダを除き、ラムに変えるとリトルプリンセス

・スコッチウィスキーとアンゴスチュラビターズに変えると「ロブロイ」

・ライウィスキーとアンゴスチュラビターズに変えると「マンハッタン」

 

■ スイートベルモットとソーダはそのままで

<カンパリだけを変更する>

 

・ドライベルモットに変えると「アディントン」

 

■ カンパリとスイートベルモットはそのままで

<ソーダだけを変更する>

 

・ドライジンに変えるとネグローニ

 

 

最後に

アメリカーノは映画や小説にも登場するカクテルです。

スパイを題材とした作品は数多くありますが、

その中でも、主人公のジェームズボンドで有名な

「007(ダブル・オー・セブン)」シリーズにアメリカーノは登場します。

 

映画史に残るこの作品には他にも有名なカクテルが登場していますので

興味があればご覧になってみて下さいね♪

 

今回はカクテルのアメリカーノをご紹介いたしました。

それでは、また。

 

 

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BIRDY.新カクテルシェーカー

2017年3月6日 15:15 カテゴリー: カクテル

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