ベリーニ -カクテルレシピのノウハウ-  BLOG

2016.12.05

ベリーニ -カクテルレシピのノウハウ-

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皆さん、こんにちは。

4MIX COCKTAILです。

 

 

今回は、「ベリーニ」のカクテルレシピをご紹介します。

 

桃を使ったカクテルはフルーティーで人気が高いカクテルの1つですが、

このベリーニも桃を使ったカクテルとして女性に人気があります。

 

ベリーニのレシピは、濃厚でとろっとしたピーチネクターに

きりっとした辛口のスパークリングワインで割って作ります。

ピーチネクターではなくピーチピューレで作るBARもあります。

 

気になる味わいは、甘めタイプで非常に飲みやすいカクテルです。

ベリーニのアルコール度数は比較的に弱めで約5~8度のお酒です。

 

 

 

ワインベースのベリーニ (Bellini)

 

このカクテルは、ワインベースとなっています。

 

ベリーニはイタリアのヴェネツィアで生まれたカクテルです。

英語の発音から「ベリーニ」と一般的に日本では呼ばれますが、

本来イタリアでは「ベッリーニ」と発音されます。

 

一般的にピーチネクターをスパークリングワインで割るレシピですが、

このベリーニのカクテルが誕生した意味を考えると、

ベリーニで使うスパークリングワインについては、

シャンパン(フランス産)や、カヴァ(スペイン産)ではなく
ベリーニ発祥の国であるイタリア産のスプマンテを使用したいところです。

 

また、本家のレシピは桃のピューレで作りますが、

日本ではピーチネクターを使用するレシピが定番となっています。

 

しかし、こだわりを持ったバーなどのお店では、

6~8月の夏にかけて旬を迎えるフレッシュな白桃を使い

自家製のピーチピューレにしてベリーニのカクテルを作ります。

 

 

 

 ベリーニのカクテル名の由来とは?

 

ベリーニのカクテル名の由来は「ある画家」の名前から付けられました。

 

その画家とは、ヴェネツィア派の巨匠と呼ばれ

15世紀初期のルネサンス時代に名を馳せたジョヴァンニ・ベリーニ氏です。

 

ちなみにヴェネツィア派(ベネチア派)とは、

イタリア北東部の「水の都」と呼ばれるベネチアの都市と

その周辺で栄えた美術の流派のことです。

 

美術といっても絵画をはじめ、建築や彫刻などもありますが

ここでは絵画のことを指しています。

 

 

◆ では、どんな作品があったのでしょうか? ◆

 

画家一族で生まれたジョヴァンニ・ベリーニは

父であるヤーコポ・ベリーニの次男です。

 

ジョバンニの作品は主に

聖母子像やキリストの肖像画をはじめ、祭壇画も描いています。

 

■ 主な作品 ■

「聖母子(赤い智天使の聖母)」

「聖母子(牧場の聖母)」

「ペザーロ祭壇画(聖母の戴冠)」

「ピエタ」

「サン・ジョゼッペ祭壇画」

「キリストの変容」

など

 

 

ベリーニのカクテルが誕生した背景について

 

ここでは、ベリーニのカクテルが生まれた背景についてお話します。

 

ベリーニはヴェネツィアで生まれたカクテルなのですが、
1948年にジョヴァンニ・ベリーニの展覧会を記念して作られたカクテルです。

 

ベリーニを創作したのはイタリアのヴェネツィア(英語でベニス Venice)にある

「ハリーズバー」のジュゼッペ・チプリアーニ氏によって考案されました。

 

 

 

 

■  ハリーズバーとはどんなお店? ■

 

ハリーズ・バー(HARRY’S BAR)とは、

ベリーニの生みの親となった経営者のジュゼッペ・チプリアーニ氏が

1931年5月13日に創業した世界的に有名なヴェネツィアのレストランバーです。

 

2001年には「ハリーズバー」のお店がある場所自体が

イタリアの文化遺産として指定されています。

まさにランドマークとして今でも名店を訪れる人たちで愛されています。

 

ハリーズバーを経営している会社名は「CIPRIANI」といい、

ニューヨークに姉妹店があります。

 

 

ハリーズバーにはその昔、王族や貴族、芸術家、俳優など

各界の名だたる著名人がお店に通っていたほど老舗ですが

その中でもベリーニのカクテルを有名にしたのは、
作家のアーネスト・ヘミングウェイです。

 

またハリーズバーは、「ベリーニ」の発祥地として知られていますが

「カルパッチョ」の料理を創作したことでも知られています。

ベリーニのカクテル名と同様に、このカルパッチョの由来も

画家であるヴィットーレ・カルパッチョの名前から付けられた料理です。

 

 

 ベリーニの作り方について

 

ベリーニの分量の割合は、スパークリングワイン2に対してピーチネクター1です。

 

ベリーニの作り方のポイントはカクテルの「色合い」です。

淡いピンク色になるように表現するには、

色付けに使うグレナデンシロップの分量がポイントとなります。

 

 

【用意するもの】

  • スパークリングワイン (その他、シャンパン)
  • ピーチネクター(※または桃のピューレ)
  • グレナデンシロップ
  • フルート型シャンパングラス(またはタンブラーグラス)
  • バースプーン (スプーンで代用可)

 

 

 

【作り方のレシピ】

材料をグラスに入れて直接作ります。(ビルドという作り方)

 

  1. フルート型シャンパングラスにピーチネクターを入れます。
  2. 次にグレナデンシロップを1tsp(約5ml)入れます。
  3. 2つの材料をバースプーンで軽く混ぜます。
  4. ゆっくりとスパークリングワインで満たします。
  5. 再び、軽く混ぜたら出来上がり。

 

 

※スパークリングワインを注ぐときは泡立ちやすいので注意!

※お好みで分量の比率を変えて下さい。

※タンブラーグラスやゴブレットグラスを使ってもOK

 

 

 

 

■ 本家ハリーズバーのオリジナルレシピ ■

 

ベリーニ発祥のハリーズバーはヴェネツィアに店舗を構えています。

またローマでも同店名のハリーズバーが存在しています。

 

【ヴェネツィアのハリーズバーレシピ】

・スプマンテ

・ピーチピューレ

・砂糖(少量) ※シュガーシロップ

 

 

日本ではフルート型のシャンパングラスが多く使われますが、

ヴェネツィアのハリーズバーではそのシャンパングラスではなく、

6オンスのタンブラーグラス(180ml)を使います。

※氷は入れてません。

 

桃の旬を考えると夏限定のカクテルと言われますが

ハリーズバーではピーチピューレを1年中切らさないために

旬な時期に採れる白桃を冷凍しているそうです。

 

 

※ローマのハリーズバーレシピ!

イタリアバーテンダー協会の推薦するのはローマのレシピで

砂糖ではなくグレナデンシロップを使います。

 

 

ベリーニのカクテルを作る上でのポイント!

ここではベリーニを作るときに知っておきたいポイントについて解説します。

 

■ スパークリングワインについて ■

イタリアのスパークリングワインを「スプマンテ」と呼びますが

できればベリーニで使うときは発祥国であるこのスプマンテを選び、

さらにハリーズバーがある地域のものにこだわり

イタリアはヴェネト州産の「プロセッコ」を使いたいものです。

 

ただ、スプマンテを絶対に使わなくてはいけない訳ではなく

一般的にはシャンパンでも、その他の国のスパークリングワインでもOKです。

 

 

 

■ ピーチネクターがない場合について■

ピーチネクター以外でベリーニを作る方法についてご紹介します。

 

1.白桃の缶詰

桃の缶詰にグレナデンシロップを足してミキサーにかけます。

桃の風味を損なわないようにグレナデンシロップの量にも気をつけて

自家製の桃ピューレでベリーニを作ります。

 

2.フレッシュの白桃

完熟したフレッシュの白桃を使ってピューレにしても良いです。

白桃に甘さがない場合はシュガーシロップで甘味を補います。

果肉やグレナデンシロップで作るだけでなく

ピンク掛かった桃の皮を少し入れてミキサーにかけると

ベリーニで表現したい色合いに近づけます。

 

3.ピーチネクター以外の桃ジュース

自家製で桃のピューレを作ることができない時は、

「順造選の国産白桃」「デルモンテのピーチ」等のジュースで

ベリーニのカクテルを作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

■ グレナデンシロップについて ■

グレナデンシロップはざくろのシロップです。

これを使うのは考案者であるチプリアーニ氏が、

ジョヴァンニ・ベリーニが描いた絵画の淡い色調のピンクを

カクテルの色合いで表現するためです。

 

ベリーニのレシピを見ると日本ではグレナデンシロップの量を

1dash(ダッシュ)とされています。

レシピで表記される1dashという分量の単位は、

数滴ほどひと振りするという意味で分量でいうと約1mlです。

 

 

ここで、カクテルのレシピ本やレシピサイトを見ても

どこにも載っていない落とし穴をお話します。

 

ベリーニを作るとき必ずしも1dashである必要はありません!

 

それは使うグラスの種類、サイズによって色合いが表現できないからです。

グラスに入る分量によっては淡いピンク色になったり、

ほとんど色合いが変わらないケースもあり得ます。

 

フルート型のシャンパングラスでベリーニを作る際、

グラスのサイズによってはグレナデンシロップを

1dashしただけで淡いピンク色に色付けができるかもしれません。

それでも色付けするには1dashでは非常に表現しづらいです。

 

フルート型のシャンパングラスで作る以外でも

タンブラーグラスやゴブレットグラスで作る場合は、

グレナデンシロップを約5mlの1tsp(ティースプーン)か、

2~3dashesほど色付けとして必要になります。

 

その為、ベリーニのカクテルを作るときは

グレナデンシロップの量がポイントになってきます。

 

 

 

さらに美味しく楽しむ方法!

 

1. スパークリングワインやピーチネクターは予め冷やしておきましょう。

2. シャンパングラスも軽く冷やしておいても良いです。

2. 夏の時期は旬なフレッシュの桃をピューレにして作るとGood

 

 

 

【ベリーニからのバリエーション】

・ピーチネクターをオレンジジュースに変えると「ミモザ」のカクテルに!

・ピーチネクターをグレープフルーツジュースに変えると「ホワイトミモザ」に!

・ピーチネクターをカシスリキュールに変えると「キールロワイヤル」に!

 

 

 

 

最後に

 

ベリーニはイタリアで生まれたカクテルですが、

イタリアと言えば、名の知れたリキュールも数多くあります。

 

バーテンダーにはお馴染みの

「アマレット・ディサローノ」「カンパリ」「リモンチェッロ」「アペロール」など、

バーテンダーにはお馴染みのリキュールを世に送り出しています。

 

これらのリキュールはBARのみならず、イタリアンバルなどでも見掛けるお酒です。

カクテルの世界に触れて見たいという方には、是非知っておいてほしいお酒です。

 

 

 

今回はカクテルのベリーニをご紹介いたしました。

それでは、また。

 

 

 

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BIRDY.新カクテルシェーカー

2016年12月5日 14:00 カテゴリー: カクテル

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